小林敏明教授の「ライプツィヒの街から 12 ドイツの原発とエネルギーシフト」

こんばんわ!モンです

 

新刊「フロイト講義<死の欲動>を読む」が好評な小林教授が、忙しい中またまた

タイムリーなコラムを届けてくれました。

 

正に、今の日本が直面している問題「原子力発電と再生可能エネルギーへのシフト」

 

さっそく本日も教授、お願いします。

 今回はサッカーもビールも離れて、ちょっと深刻な話を。

 

それは日本でもっとも気がかりな問題、原発についてです。

 

ご存知のようにドイツはフクシマの事故直後に原発全基の廃炉を決議しましたが、決議しただけでは話はすみません。残された問題はさまざまですが、一番大きな問題のひとつは原子力に代わるエネルギーの供給です。

 

当面は石炭や天然ガスなどで補充をしているわけですが、CO2問題があるので、いつまでもこれらに頼っているわけにはいきません。そこで問題となっているのがいわゆる再生可能エネルギーです。

 まずだれもが思いつく太陽光発電はドイツは気象的にあまり恵まれていないこともあり、いまひとつというところです。

 

それどころか廃炉決定後東側にあった中小のソーラー電力会社がつぎつぎに倒産するという皮肉な事態が起こっています。ドイツの太陽光発電の技術はかなり高いのですが、コスト高で、中国製の機器や部品に太刀打ちができないのです。

 

ちなみに現在世界で太陽光発電開発のもっとも進んでいるのは、この中国とアメリカです(政情が安定してくればアフリカや中近東もチャンスでしょう)。

 

それに比べて日本ははるかに遅れています。これは産業界と政府の怠慢と言えるでしょうね。

 

したがってドイツの再生可能エネルギーの主役は風力ということになります。

これは偏西風の強い北海とバルト海の海上に大きな風力発電施設を建設して、そこから南に向けて電気を送るという壮大な計画です。

 

施設の建設にくわえて大掛かりな送電線網の建設が必要になりますから、大企業もそれを当て込んでいるようです。

 

この事業はすでに進行しています。おそらく20年後のドイツではこの風力発電が電力の主力を担うことになるでしょう。

 

とはいえ、電力というのは安定供給が大事、気象に左右される風力の不安定さを補うために太陽光、バイオマス、水力、天然ガスなどとの複合計画が必要になります。

 

むろん簡単な話ではありませんが、そういう積極的な政策や事業が進行している点は、日本も参考にできると思います。

 

電気が来なくなったらどうしようなどという漠然とした不安に駆られて、諦め気味に原発を受け入れてしまうより、はるかにまっとうなことと思えるのですが、どうでしょう。

 

そのはるかにまっとうと思われるドイツにも頭の痛い問題があります。それは核廃棄物の処理です。

現在ドイツにはいくつかの処理場がありますが、なかでも注目を浴びているのがニーダーザクセン州にあるゴアレーベンというところです。

 

かつての岩塩採掘坑を利用して造られたこの「中間」処理場にフランスの処理工場から運ばれてくる廃棄物が貯蔵されつづけているわけですが(現在蓄積廃棄物は1万7千トンを越えます)、地元が恐れているのは、ここがそのまま核廃棄物の「最終」処理場になるのではないかということです。

 

他に受け手がない以上、必然的にそうなります。

日本で言えば青森の六ヶ所村のようなところですね。

 

すでに古い貯蔵缶に欠陥が見つかったりして、住民の反対闘争も激しいものになっています。

 

実際この処理場問題はかりに今度のような事故が起こらなかったとしても、原発という存在にとってほとんど解決不可能な致命的な問題だと思います。

 

ただ黙って先送りされているだけです。

後の世代にとってはずいぶんひどい話です。

それにしても日本の状況を見ていると、いつも犠牲になるのは過疎のムラ、人質ならぬ「ムラ質」にされて身動きもできない感じです。

 

今騒がれている基地問題もまったく同じ仕組みです。

 

じつにアコギなやり方じゃありませんか。こんなこと、節電で不便になるなどという以前の基本的人権の問題ですよ。

 

 

教授、本日もありがとうございました!

 

まったくもって基地問題も含め同感です。

補助金と雇用でがんじがらめに縛りつけて、そこに住む地域の住人同士の信頼関係まで破壊する・・・。ひどい話です。(大型公共事業、ダム問題しかり)

 

指示している本人達は安全な場所で高給を貰って、高額な退職金をも貰ったあげくの果てには天下りってんですから厚顔無恥にも程があります・・・。

 

正義は無いのでしょうか・・・?

なんか、怒りが沸々と沸いてきたので、また明日。

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    emi (月曜日, 06 8月 2012 16:22)

    先日ドイツのドキュメンタリー映画「シェーナウの想い」を観ました。普通の市民が「自分たちの使うエネルギーは自分たちで選ぶ」為に、10年という歳月をかけてそれを実現していくという内容でした。市民のグループがそこに至るまでには、まず同じ街の人々に共感、賛成してもらうために一軒一軒の家で説得し、住民投票を繰り返したり、議会にかけたり、途中で大きな圧力につぶされそうになりながらも、あきらめずに活動を続けていきました。そしてとうとう勝利にたどり着くという実話です。
    今、彼らの太陽光発電会社は、その街の中だけでなくドイツの他の地域の家庭にも電力を売っています。そして、街の中の人々は徐々に会社からの送電から自分の家の屋根で発電する方法に切り替えているところだそうです。
    深刻で、勇ましそうなテーマですが、ユーモアがあり、音楽センス抜群(さすがドイツ)で、見終わるとみんな微笑んでしまうような作品でした。
      実は来月ドイツへ行きます。とんぼ帰りの予定ですが
    いつかシェーナウを訪れてみたいと思います。

  • #2

    オイルライフです (月曜日, 06 8月 2012 20:08)

    emiさま
    暑い日が続きます、お元気でしょうか?
    「シェーナウの想い」早速調べて予告編を観ました!

    自国で起きた原発事故でもないのに再生可能エネルギーを選択する国
    自国で起きた事故なのに原発を再稼働を選択する国
    なんかちょっとおかしいですよねぇ

    小林教授のコラムにも書いてあり、今年教授が帰国した時にもお話を直接聞いたのですが、ドイツの太陽光発電会社は、現在かなり厳しい状態にある様です
    「シェーナウ」の発電会社も、その波にのみ込まれなければよいのですが

    emiさま 来月のドイツ旅行楽しんできて下さい!
    またのご来店お待ち致しております!!!