小林敏明教授の「ライプツィヒの街から 15 枯葉と山下洋輔」

こんばんわ!モンです。

 

昨日より江古田の街は「学園祭シーズン2」(シーズン1は先週の音大ね)

日大芸術学部では「日藝祭」武蔵大では「白雉祭」開催中ですね

 

そんな中(どんな?笑)ドイツの小林教授より、コラムが届きました

しかも、図らずも、またまたタイムリーなネタになりました!

何が、タイムリーかはコラムのあとで・・・

 

それでは、教授!本日も、よろしくお願いします。

(15)

 今日は少しだけロマンティックに。秋の枯葉の話です。

 

この季節になると日本でも紅葉がきれいになりますが、もちろんヨーロッパの樹々も枯れます。ただしこちらは「紅葉」ではなく「黄葉」です。理由は簡単、それはブナ科の樹が多いからです。

 

かつてわざわざ谷川岳のナナカマドを見にいったこともある僕としては、最初このドイツの「黄葉」が気に入りませんでした。なんだあ、これでは「紅葉」にならんじゃないかと。やはり紅葉である以上、「もみじの錦神のまにまに」にならなきゃあと思っていたわけです。

 

ところが時が経つにつれて、こちらの習慣に合わせて公園や森などを散歩する機会が増えてくるにしたがって、この「黄葉」が良くなってくるのですよ。冷たい空気がピーンと張る中黄色い落ち葉をサクサクと踏みながら歩くと、何とも言えない気分になってくるのです。

 

ちょっとメランコリックでロマンティックで、嬉しいような切ないような、そんな気分は派手目の「もみじの錦」からは出てきませんね。古語で言えば「かなし」とか「あはれ」などという情趣が近いのかもしれません。

 

近頃の日本では「かなし」は「悲しい」に、また「あはれ」は「哀れ」に変質してしまって、その分情緒も細やかさを失ってしまったかもしれませんが、そんな気分が「黄葉」にはあるのです。あのシャンソンの「枯葉」も「もみじの錦」ではちょっと様になりませんね。一言でいえば、そういうことです。

 そうそう、それで突然思い出しました。僕の自慢話ですが、今から20年以上も前にリリースされた山下洋輔さんのアルバムの中に「枯葉に聞こえない枯葉」という曲が入っています。

 

これの裏話です。

ある晩名古屋でコンサートが終わったあと山下さんを囲んで皆で中華料理屋に出かけました。帰りがけに、見るとレジの横になぜかアップライトのピアノが置かれてます。

 

酔っ払っていた僕はその前に座り込んで、ジャズっぽくピアノを弾いてました。僕を知っている同僚は皆、またあいつの悪い病気が始まったと、そそくさと出て行ってしまったのですが、ひとり後ろに立って最後までじっと聴き入っている人がありました。これが我が尊敬する「世界の山下」ですよ。さすが本物のプロは違うと、ひとり悦に入っている僕に向かって山下さんが言いました。

 

「小林さん、やっとわかりましたよ、あんたが何を弾きたかったのか」ですって。(と書いたのですが、ネットで検索しても問題のアルバムが見つかりません。どなたかご存知な方いませんか。)

 

 

タラララーーー枯れ葉よーーー

教授ありがとうございました!!!

 

まさか、教授がアノ「世界の山下 山下洋輔」氏と、お知り合いだったとは!

私は、そっちがビックリです。

 

しかも、今日のブログはこの「枯葉」ネタにしようと決めていたのですが、お昼に新聞を読んでいるとこんな記事が。

山下洋輔さん 旭日小綬章 受章!!!(朝日新聞より)

 

いやーあまりにもタイムリーすぎてビックリ!!!

アンド、私面識は、もちろんありませんが「山下洋輔さん受章おめでとうございます!!!」

 

記事の「山下洋輔」氏の言葉に

「ジャズの80%以上は即興演奏。ダンス音楽から超絶的な現代表現まで実に幅広く、その中で色々試せるのが魅力」と言うのがありました。

 

名古屋の中華料理店のアップライトピアノで教授が弾いた即興演奏が「天才 山下洋輔」の感性を刺激して、まぼろしの名曲「枯れ葉に聞こえない枯葉」を生み出した事は間違えないでしょう・・・。

 

教授!本日もありがとうございました!!!

また次回のコラムも楽しみにしております。

 

業務連絡です・・・

 

11/4(日)は午前中から買付けに行くので16時頃オープンする予定です。

申し訳ございません。。。