小林敏明教授の「ライプツィヒの街から66ドイツの選挙結果とそのゆくえ」

こんばんわ!モンです

 

ドイツの小林教授から緊急レポが届きました

ドイツの選挙結果です

 

教授本日もよろしくお願いします

 

 

ドイツの選挙結果とそのゆくえ

 日本はまず茶番劇のような自民党総裁選挙が終わって、これから衆議院選挙を迎えるわけですが、9月末一足先にドイツの国政選挙が終わりました。得票率は以下の通りでした。

SPD(社民党)25,7%、CDU(キリスト教民主同盟)/CSU(キリスト教社会同盟)24,1%、緑の党14,8%、FDP(自由民主党)11,5%、AfD(ドイツのための選択)10,3%、左派党4,9%(ドイツでは得票率が5%を超えないと議席がもらえないのですが、それ以下でも一人区で1位を取ったりすると特例が認められます。今回は左派党がそれで救われました。なお、CSUはバイエルン州独自の保守政党ですが、政策的にはCDUに近いので、戦後一貫してUnionを結成して歩調を共にしてきました。)

 イメージしやすいように、各政党の特徴をできるだけ日本の政党に近づけて説明しておくと、SPDは立憲民主・国民民主・社民が合同した感じで、労働・福祉などに強い伝統的な政党でこれまでもたびたび首相を出しています。CDU/ CSUは自民党リベラル、ひと昔前の大平派・田中派・三木派あたりの混合に近いでしょうか。メルケル政権の与党です。緑の党はこのところ伸びている環境、多文化主義を重んずる党で政治的にはリベラル左派、これは日本にありません(小さな芽のようなものはありますが)。FDPは自民党リベラルからネオ・リベラル派でCDUに近いですが、それ以上に効率経済を優先します。今回もデジタル化推進を訴えていました。AfDは自民党安倍グループに近く、ここに外国人排斥を訴えるネオナチが相乗りした感じです。左派党は東独時代の旧共産党の名残を残す、といったところでしょうか。

 問題はこの先です。見られるように、単独で政権をとる政党はありませんから、当然連立ということになりますが、この連立の組み合わせが大きな問題なのです。まずネオナチを許容しているAfDと組む政党はひとつもありませんから、これは除外しますと、過半数を占める組み合わせは以下の通りになります。

1)SPD・CDU/CSU、2)SPD・緑・FDP、3)CDU/ CSU・緑・FDP

左派を含めて足し算をしていけば、数字的にはまだありますが、現実的な組み合わせとしてはこの3通りになり、現にこれらの政党間でさまざまな事前交渉がなされています。

1)はほぼこれまでと同じですが、首相が第一党のSPDに代わりますから、いくらか社民党寄りになるはずです。しかし、いまのところこの連立はあまり論議されていません。というのも第一党になったSPDのなかに2)の連立を求める声が強くなっているからです。緑の党と連立を組めば政策もやや左に持っていけます。ただ、この組み合わせでは環境問題に厳しい緑と効率経済を優先するFDPがどのように折り合うかというジレンマがあります。3)は逆に緑がリベラル経済に対してどの程度妥協できるかという問題があります。

 現時点での僕の予想は2)の中道左派連立ですが、交渉次第で3)になることもあるし、各政党の意見がまとまらない場合は1)が復活する可能性も大いにあります。キャスティングボードを握っているのは緑でしょう。ということで、選挙が終わっても体制が決まったわけではなく、組み合 わせによっては右にも左にもブレることになります。外国籍の人間として原発に反対している僕のような人間にとっても、今後の成り行きに無関心ではいられません。さて、結果はどう出ますか。

   

 

教授 緊急レポ有難うございました

 

緊急だったので、取り敢えず先にアップいたしました

中をじっくり見ておりません申し訳ございません。

明日にでもじっくり拝見させて頂きます

 

モチロン明日も営業中