小林敏明教授の「ライプツィヒの街から 75 福澤ドイツ・レポートについて思うこと」

こんばんわ!モンです

 

ドイツの小林教授からレポートが届きました

ご友人の福澤 啓臣さんのレポートです

 

教授本日もよろしくお願いします

 

 

福澤ドイツ・レポートについて思うこと

 みなさん、これまでにもときどき紹介してきたベルリンの友人福澤さんが、また新しい記事を書きましたので、紹介しておきます。

 今回は、近ごろドイツで話題になっている1)市民給付金、2)「最後の世代」の抵抗運動、3)「帝国市民」のテロ組織という三つのテーマが取りあげられています。

 1)は失業者など生活困窮者に対する政府の給付金の話ですが、「自己責任」を理由に弱者救済に本腰を入れない冷酷な日本政府との違いが明らかになります。

 2)は環境問題の深刻さを訴える「最後の世代」を名乗る若者たちの身体を張った激しい抵抗運動です。

 3)はテロで政府を転覆させることを狙って全国で密かに組織されていた「帝国市民」というネオナチの武装グループが摘発された事件です。最近の日本のテロが精神的に不安定な単独犯を特徴としているのに対して、こちらはかなり組織的な確信犯です。

 この三つの話題を通して見えてくるのは、ドイツと日本の違いです。かつては厳格な集団的規律において両国はよく似ていると言われてきましたが、最近はどうもそうではないようです。とくに日本社会はこれまで集団主義の典型のように見なされてきましたが、最近はむしろ、その反対の個人主義、もう少し正確に言うと、ひとりひとりが集団から孤立する「孤人主義」が目立ちます。社会的弱者や難民を集団の中に取り込んで何とか救いの手を差し伸べようというのと反対に、むしろそういう人たちを切り捨てたり排除したりするのも、「自分」意外のことには関心が向かない「孤人主義」の傾向でしょうし、脱原発を訴えながらも、タコツボ化し、各自がバラバラで、なかなかまとまった抵抗勢力をつくれないことも同じ、そしてテロ行為までも組織から離れた通り魔的な「孤人」によっておこなわれるという有様です。僕には何か不気味でうすら寒い感じさえします。

 ということで、福澤レポートは以下のサイトで。

http://gendainoriron.jp/vol.33/rostrum/fukuzawa.php

 

教授、本日も有難うございました

 

リュツェラートの露天掘り、「帝国市民」(ライヒス・ビュルガー)、などは

国際ニュース報道などで知っておりましたが、ドイツの給付金これは知りませんでした

 

またのレポートお待ち致しております。